「経営工学分野」エンジニア教育プログラム認定基準案
経営工学研究連絡委員会 2000年3月
学生が以下の内容を修得できるようなカリキュラムでなければならない。
ただし、経営工学という幅の広い分野であることに鑑み、独自の特徴を有し
工夫されたカリキュラムは高く評価される。
- (1) 経営管理に関する原則・手法に関する知識およびその活用能力
- (2) 数理的な解析能力
- (3) 情報技術を活用、応用する能力
- (4) 関連分野(工学、経済学等)に関する基礎知識
[認定基準案の解説]
上記基準案は、現段階での当委員会の推奨案であるが、全員の合意が得られているわけではない。
上記の(1)~(4)の基準案の具体的内容は以下の通りである。
- (1) 経営管理に関する原則・手法に関する知識およびその活用能力
この項に該当するのは大きく分けて2つのものがある。一つめは、PDCAサイクルに代表されるようなマネジメントに焦点を当てた経営管理に関する基礎知識である。製品・サービスの開発・生産・提供を行う組織において、品質、生産性、経済性、信頼性、安全性などに関する計画、実施、評価、改善を行うためのマネジメントの原則と手法に関する、知識とその活用能力を身につけることを意図している。これには、たとえばTQM(総合的品質管理)のような組織全体のマネジメントに焦点を当てたマネジメント手法や、製造工程における品質改善のような組織全体のマネジメントを構成する要素など、様々なレベルのものが含まれる。
もう一つは、製品・サービスや生産プロセスなど、人間と情報を含めた統合システム、たとえば生産管理システム、品質保証システムなどを全体的な視点からデザイン・評価するための原則および手法などである。
- (2) 数理的な解析能力
これには、計画的にデータを収集するとともに確率的変動を考慮しデータを解析する能力や、現実の問題を数式を用いてモデル化し最適解を求める能力が含まれる。統計的方法、OR、信頼性手法など、多くの数理的技法がこの項に該当する。
- (3) 情報技術を活用、応用する能力
計算機などの情報技術を活用・応用する能力である。プログラミング、システム設計、ネットワーク技術など様々なレベルのものが考えられる。
- (4) 関連分野(工学、経済学等)に関する基礎知識
電気、機械、化学などの工学的専門技術や、経済学、会計学などの経営工学に関連する分野の基礎知識がこの項に含まれる。
[添付のカリキュラム分類案(成蹊大学/東工大/早大)は略]