APIEMS OFFICIAL WEB SITE
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日 時: | October 15 to 17, 2011 |
場 所: | Tsinghua University, Beijing, China |
主なスケジュール: | Abstract Submission : ※締切が過ぎていますが、申込み可能です。 詳しくは、APIEMS事務局にお問い合わせください。 Notification of Acceptance of abstract :April 15, 2011 Submission of Full Paper : May 31, 2011 ※5月末日までの延長になりました。 |
連絡先: | Conference Web-site : http://orsc.edu.cn/apiems/ |
第11回APIEMS2010 参加報告(PDFファイル)
石垣綾(東京理科大学)
第11回Asia Pacific Industrial Engineering & Management Systemsの国際会議が、2010年12月7日~10日、マレーシアのマラッカで開催された。APIEMSは、オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、韓国、台湾、タイのIE関係の学会が参加して結成している国際的なAcademic Society(学会連合)で、1998年に第1回の国際会議を開催し、以後、2年に1回、2004年からは毎年1回、12月にアジア各国の持ち回りで大会を開催している。第11回目の会場となったマラッカには飛行機が離発着できる国際航空がないため、一般にはマレーシアの首都であるクアラランプールからタクシーで1時間半かけてやっと到着することになる。それにもかかわらず、第11回は300件を超える論文が発表された。大会はKeynote SpeechとSubmitted Papersの発表で構成され、今回は9部屋に分かれてのParallel Sessionで行われた。初日(12月8日)8時30分からOpening Ceremonyが行われ、日本からはIFPR-APRのChairmanである石井和克先生(金沢工業大学)とAUN/Seed-Net JACA Project Deputy Chief CoordinatorであるTakahashi Atsushiさんがスピーチを行った。その後、8日午後から9日までの2日半に発表セッション、2日目の夜にはRenaissance Hotel Melakaの7階大ホールにてBanquet、最終日の12月10日に希望者によるoptional tourという構成であった。Keynote Speechではformer Presidents memberである玄光男先生(Ulsan National Institute of Science & Technology)が発表された。大会の詳しいプログラムはURL: http://www.apiems2010.um.edu.my/に掲載されている。
APIEMSは、現在52名のboard memberで運営されており、日本からは、玄光男先生(Ulsan National Institute of Science & Technology)、石井和克先生(金沢工業大学)、河野宏和先生(慶応義塾大学)、能勢豊一先生(大阪工業大学)、高橋勝彦先生(広島大学)、玉木欽也先生(青山学院大学)、平川保博先生(東京理科大学)の8名が理事として参加している。これまで、日本では1999年の第2回大会が金沢、2009年の第10回大会が北九州で開催されており、次の第12回大会は2011年10月14日~17日、北京で開催が予定されている。さらに、APIEMSでは国際的なジャーナルIEMSを発行しており、IE関連における重要な問題や新しい産業に対する最新の理論的・学術的論文を報告している。
APIEMSの発表セッションは主催国のProgram Committeeが定めている。第11回大会の場合、
・Artificial Intelligence in IE
・CAD/CAM/CIM
・Concurrent Engineering System
・Decision Making Models and Analysis
・Decision Support Systems and Management
・Engineering Economy and Cost Analysis
・Enterprise Information System/ERP
・Environment Friendly Technologies
・Facilities Design and Location
・Flexible Manufacturing Systems
・Green Design/Green Manufacturing
・Health Care Management
・Human Factors/Industrial Ergonomics
・Human Computer Interaction
・Human Resource Management
・Human Simulation and Virtual Reality/Environment
・Industrial Engineering Education
・Inventory System and Management
・Lean Manufacturing
・Management of Technology and Innovations
・Management Information System
・Manufacturing Process / Management
・Manufacturing/Industrial Automation/Robotics
・Operations Research / Optimization
・Product Design/Development
・Productivity and Business Strategies
・Production Systems Design, Planning and Control
・Project Management
・Quality Engineering
・Quality Cost, Reliability and Maintenance
・Research Methods in Industrial Engineering
・Safety Management
・Service Systems and Management
・Small and Medium Enterprises and IE
・Soft Computing /Heuristics
・Supply Chain Management and Logistics
・System Engineering and Management
・Systems Simulation
・Total Quality Management
・Transportation Technology and Management
という計40項目に分類されており、セッション数は年々増加している。時代に応じた最新トピックを積極的に取り入れることによってIE関連の専門家にとっての重要な情報交換の場となっているが、セッション数が増加すると参加者が分散し1セッション当たりの参加人数が減少してしまうといった問題が発生する。また、テーマを絞り込むことによって専門性を高めることは非常に重要であるが、分野はもちろん、国や文化の違いからくる様々な考えや情報を交換することによって得られるものもあると考える。APIEMSへの重要性や期待が高まる中、異なる国々における参加者間での交流を活発にするような大会の構成が望まれる。
近年、JIMAにおいては英語論文を多く募集するなど、国際化を目指した活動を積極的に行っている。今後、APEIMSにおいてJIMAが日本での活動を広く積極的に情報発信していくことによって、さらに国際化が進むことが期待される。
現在、日本においては2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、これまでの生産活動や経営活動を全面的に見直さざるを得なくなっている。今回の事態は、災害が予想の範疇を超えていたとはいえ、災害に対する日本の社会・経済システムの脆弱さを示した結果となった。特に、ロジスティックス、情報システム、在庫管理などIE領域における多くの分野において、問題点や災害に対する準備不足が指摘されている。さらに、これらの問題は現在も継続して発生しており、早急な対応が望まれている。このような状況において、JIMAとして何ができるか、また、社会に対しどこまで貢献できるかを議論することが必要である。また、今回の経験から得た経験を真摯に受け止め、安心できる社会・経済システムを作るためにはどのように知識や技術を活用したらよいのかを考え直すことは不可欠であり義務であると考える。そして、JIMAでのそうした活動をAPIEMSや様々な国際学会において積極的に発信していくことこそが日本にしかできない国際貢献ではないかと考えている。
IEMSジャーナル
APIEMS(Asia-Pacific Industrial Engineering and Management Systems)では、新しいジャーナル「Industrial Engineering & Management Systems」の創刊号を2002年12月に11編の英文論文を集めて発行し、今後、年間2冊のペースで発行を計画しています。JournalのCall For Papersは以下に掲載されています。関心のある方は参照して下さい。